太地町の税金の使いみち

町税の使い方に問題あり!
―和歌山県太地町の山下議員による報告―

2008.2.14 up

私たちの税金が鯨解体処理施設の建設を通して太地町で使われる―
太地町の税金の無駄遣いを監視しよう。

 いま、国税の使い方がよく話題になります。無駄遣いをやめて、納税者に利益が還元される、納得のいく使い方をしてほしいというのが、国民の誰もが願っていることです。

 ところが、和歌山県太地町で一部の町議会議員が発行している新聞「美熊野政経塾」第10号(2008年1月27日号)を見ると、驚くべきことが載っています。何と議員の海外出張費が2007年4月から12月までで1,400万円。飛行機はほとんどがビジネスクラス、しかも、「誰が何のためにどこへ行くのか」という議会での質問に何の回答もされていないだけでなく、結果的にどのような効果があったかという報告もされていないということです。

 もっと驚くことがに書かれています。太地町立くじらの博物館が東京海洋大学(加藤秀弘教授)と共同で「大型鯨類飼育計画策定」と題した研究を始めた話です。この研究のために太地町は平成18年(2006)に年間150万円、平成19年(2007年)に150万、合計300万円の額を東京海洋大学に助成しています。つまり、町民の税金を拠出しています。しかし、その助成金の使途が明確でないため、山下順一郎町議会議員らが情報開示請求によって使途の明細を手に入れたところ、次のような多くの疑問が浮上しました。

 それによると、研究室2部屋分のブラインド工事、液晶テレビ、脇デスク、物品棚、ミーティングチェア3脚、研究室ラック、急に必要が生じたとデジカメやビジネス手帳、パソコン、プリンター等々、研究費として首をかしげたくなる支出が目立ちます。しかも高額な備品類はすべて(有)新光事務機からの購入です。助成を受けた貴重な研究費で椅子を買うこともおかしいですが、1脚27,300円もする椅子を買うことにも、違和感があります。購入時にもっと値段のかからない商品を探すことも十分可能だったと思われます。
(詳細はを参照。)

 以上は、太地という1地方の町の税金の使われ方の問題で、太地住民でない私たち部外者には何の関係もないように思われるかも知れません。ところが、そうとはいえません。上記のように、無神経な町税の使い方をしている太地町に、私たちが納めている税金の一部が使われようとしているのです。

 現在、太地町が建設を計画しているクジラの解体処理施設の総予算額は3億3,000万円余りですが、資金が足りないため、国庫補助金1憶6,105万円を使うことになっています。この国庫補助金は私たちが納めた税金です。水産庁経由で太地町に回されるこの補助金を通して、私たちは建設理由に問題の多い施設の建設を助成することになります。(詳細はクジラ解体処理施設の問題点へ。)

新聞をにぎわす国税の無駄遣いや不正使用は人目を引きますが、まったく問題にされていない太地で行なわれている町税の無神経な使われ方にも気を配る必要があります。まして、私たちの国税がこの町につぎ込まれるとすれば、他人事とはいえないことです。

 参考までに「美熊野政経塾」第10号(2008年1月27日号)を掲載しますので、この機会にぜひ通読してください。
 

pdf「美熊野政経塾」第10号(2008年1月27日号) PDF 2.13MB

 

ページのTOPへ