日本人は最適な研究対象?


イルカやクジラを食べる日本人は最適な研究対象か?

― イルカ肉の汚染:最近の検査結果 ―

本会では過去10年間、各種イルカ肉に含まれる水銀、メチル水銀、PCBの検査を続けて来ました。その結果は本会のホームページに掲載してあります。すべてのイルカ肉に、日本政府が定めた暫定的規制値を超える汚染が検出されました。ここでは、今年1月に本会が米海洋環境保護団体ブルーボイス(BlueVoice org)と共同で行なったイルカの検査結果(A)を、お知らせします。同時期にアースアイランド研究所(EII)とAdy Gil World Conservation(AGWC)も太地産のスジイルカの検査を行なっていますので、公表の許可を頂き、併せて検査結果(B)を掲載します。(検査機関:日本食品分析センター)

なお、昨年(2011年)5月に、本会がブルーボイスと共同で行なった7検体のイルカ肉の検査では、すべてが暫定的規制値を超える汚染を示しました。中でも検査結果で最高値を示したのは、総水銀が7.32ppmで、暫定的規制値の18.3倍、メチル水銀が2.6ppmで暫定的規制値の8.66倍、PCBが9.6ppmで、暫定的規制値の19.2倍でした。検体は全て、太地町とその周辺のマーケットで販売されていた肉です。切り身になってパックされ、店頭に並んでいる肉の内、どれがどの位汚染しているかを見極めることは不可能です。最悪の場合、上記のように著しく汚染した肉を、知らないで買って食べることになります。本会が、商品に警告ラベルを貼って販売するように要望するのは、消費者が自らの選択で汚染している肉を買うか、買わないかを選択できるようにしてほしいからです。太地町長は「イルカの肉の汚染は風評被害だ」と公言していますが、このままの状態が続けば、必ず深刻な健康被害が起こることでしょう。

アメリカでも、イルカやクジラへの有害化学物質の蓄積が問題にされ、新しい研究分野になっています。イルカやクジラを食用にするためではありません。イルカやクジラが人間の食べる魚と同様な魚を食べていることから、イルカやクジラの有害物質による汚染は、人間にも同様なことが起こっていることを示しているからです。つまり、イルカやクジラは、人間がどのような環境汚染に晒されているかを示すものとして、言いかえれば、環境汚染の「見張り番」として、とらえられているのです。有害化学物質の蓄積が、イルカと人間の両方に深刻な健康被害を与える可能性があるために、研究対象になっているのです。食物連鎖を考えれば、皮肉なことに、研究対象として一番適しているのは、イルカやクジラ食べている日本人かもしれません■

 
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