トンボ池の夏


会員の図書紹介
伊東祐朔氏著2冊、ともに文藝社刊。
「人間て何だー人類の故郷、東アフリカで考える」¥1,500+税、2007年4月刊。今、おかしなことを平気でする人間が増えています。著者伊東氏はその謎を解明しようと、人類の祖先発祥の地アフリカを訪ねました。しかも東、西、中央のアフリカ各地をなんと30数回歴訪して、現地人や類人猿、大小さまざまな動物と人のかかわり等を観察・検討して、今の人間に欠けているものはなにかを考え続けた結果、最も基本的な生活上の欠陥は父母と子どもの関係が基本から狂いだしていることが原因であることに行き着きました。岐阜大学生物学科を卒業後、岐阜東高校の生物学教諭として30数年を過ごしたベテラン生物学者の実践と思考の結晶であるだけに読み応えがある一冊です。

「トンボ池の夏-昭和20年真夏の記憶」¥1,300+税、2008年12月刊。太平洋戦争の末期にアメリカ軍のB29型爆撃機
が日本の本土を襲い始めた年、伊東氏は小学校入学前の幼児でした。そして真っ暗な夜、アメリカの爆撃機が日本軍の高射砲によって打ち落とされたり、落ちた飛行機と共に焼け死んだアメリカ兵など凄惨な光景を度々目撃し、今でも当時の夢を見るそうです。その幼年時代のつらい思い出をお寺の住職で画家の小笠原宣画伯によって描いた見事な絵本です。二度と戦争をしてはいけないという強いメッセージがこめられた秀作です。