Japan Dolphin Day 2007

2007年Japan Dolphin Day(日本イルカの日)の活動

NGOネットワーク「フリーオルカ」(東京)と共に、主要メディア及び日本でイルカを飼育しているすべての水族館へ、情報提供とお願いを送りました。

ジャパン・ドルフィンデー

2007年9月21日

メディアへの情報提供とお願い

2007年9月25日
「2007年・Japan Dolphin Day(日本イルカの日)」のお知らせ

 
3年目を迎えたJapan Dolphin Day

来る9月25日、世界各国の動物・環境・自然保護関係の57団体が、各国の都市の日本大使館、領事館前で、現地の市民と共に、「日本が行なっているイルカの追い込み猟(漁)」に対して中止を要請する国際的なイベント(平和的・合法的・教育的抗議デモ)を行ないます。この企画「Japan
Dolphin Day」は、今年で3年目を迎えますが、毎年、世界的な規模で行なわれています。1997年に世界的なNGO組織CFN(Cetacean
Freedom Network – 鯨類解放ネットワーク)が定めた『世界イルカ解放週間・7月4日?10日』が、さらに発展拡大されたものといえます。(詳細は、本会のホームページ:http//:elsaenc.net/ または、http://www.savejapandolphins.jp

「世界イルカ解放週間」・「Japan Dolphin Day」:日本からの参加団体

日本では、シャチなど鯨類の解放を願って結成されたNGOネットワーク「フリーオルカ」(東京)及び非営利の環境保護団体「エルザ自然保護の会」(茨城県つくば市)が1998年からこの世界的な活動に参加しています。毎年、広報活動として、イルカなど鯨類を飼育展示している日本の水族館のすべてと主要メディアに「世界イルカ解放週間」・「Japan
Dolphin Day」についての情報を提供し、「お願い」を発信しています。日本でのこの活動は今年で10年目を迎えます。しかし、この活動を取り上げて記事にした報道機関は、残念ながら、いままでに1つもありません。

メディアへの「お願い」:
世界で10余年継続されている活動に目を向けてください。

海やイルカなどの話題をメディアで取り上げる場合、どうぞ上記のような活動が10年余りにわたって世界の各地で続けられていることを考慮にいれ、一部に見られるように水族館の宣伝に終始する記事だけを流す現状を改め、水族館の負の部分にも言及する、片寄らない報道をお願い申し上げます。

参考資料:(参照:本会ホームページ:https://elsaenc.net/)

イルカの捕獲を巡る世界と日本の現状:
イルカの追い込み猟と水族館との関係
日本では、年間約3,000頭のイルカ類を追い込み猟(漁)よって捕殺することが政府によって許可されています。殺されたイルカは食用にされますが、生け捕りにされたイルカは、漁協が水族館に売却しています。つまり、水族館は野生のイルカを漁師(漁協)から買って補充し、館内で展示したり、ショーをさせたり、あるいは繁殖用に利用したりしています。また、イルカを購入した水族館のなかには、イルカを他の施設に転売して暴利を得る、いわゆる「イルカ転がし」を行なっているところもあります。

世界動物園水族館協会(WAZA)の警告

「追い込み猟(漁)」は、イルカにとって極めて過酷な捕獲方法であり、毎年捕獲の際に何頭ものイルカがパニック状態になり、ぶつかり合って傷つき、血を流し、溺死しています。水族館による捕獲作業で、海はわずか1時間で血の色に変わります。

こうしたことから、世界動物園水族館協会(WAZA)は、追い込み猟によるイルカの捕獲は動物に対する虐待であるとみなし、2004年11月、タイペイ(台北)における会議で、日本の「イルカ追い込み猟」に反対することを満場一致で決定しました。さらに、2005年10月には、「本質的に残酷な方法を使って捕獲された動物を受け入れないことを徹底するように」とWAZAに所属する会員である水族館に注意を促し、「追い込み猟によってイルカを捕獲することは、そのような容認されない方法で捕獲を行なう例とみなされる」と宣言しました。そして、2006年6月には、さら追いこみ猟でイルカを入手することは、WAZAの道徳律と動物福祉に反すると明確に述べ、WAZAの代表自らが日本の関係各所に対してイルカの追いこみ猟(漁)の中止を求める働きかけを始めました。また、同時にイルカ猟(漁)を動物虐待とみなして反対を唱えている250名の科学者の署名を集め、百万名分の署名獲得をめざして、一般の人々からの署名を集め始めました。
(参照:http://www.theoceanproject.org/actfordolphins/

日本の現状:世界動物園水族館協会の警告を無視
日本動物園水族館協会(JAZA)は、世界動物園水族館協会(WAZA)の会員ですが、WAZAの警告への対応はまったく見られません。日本では、JAZAに加盟している水族館が追い込み猟からイルカを購入し、さらに、前記の通り水族館同士でイルカを売り買いして暴利を得る、いわゆる「イルカ転がし」を行なっています。和歌山県の太地町立くじらの博物館はJAZAの会員ですが、追い込み猟で捕らえたイルカを購入し、仕入れ価格の7倍もの価格で、国内外の水族館施設に転売しています。

私たちが「日本イルカの日」(「世界イルカ解放週間」)の活動を続ける理由:

現状の水族館は動物虐待施設の一面を持つという認識
自然・動物・環境保護団体の調査活動によって各水族館での動物虐待の現状が明るみに出される一方、野外での調査研究によって海洋野生動物の生態が明らかになりはじめ、水族館に囲われている動物と自然の生息域にすむ海洋野生動物の環境が、著しく違っていることが分かってきました。

日本では、現在の水族館のありかたに何ら疑問をもつことなく、水族館は教育的であるとする考えが根強く残っています。しかし、1日に100キロ以上を泳ぎ、数100メートルも潜水し、緊密な社会生活を営むイルカなどの野生動物を狭いコンクリート水槽に閉じ込めて見世物にすることは、動物虐待にほかなりません。野生のイルカは、約35年生きるといわれていますが、水族館での平均寿命は7年ほどです。その死亡原因の多くはストレスによって生じる免疫低下による感染症です.

「野生動物の保護に貢献する教育的施設である」と自ら宣伝している水族館の実体は、じつは上記のように、高値でイルカを購入することによって追い込み猟の存続を助け、個々のイルカにひどい苦しみを与えるだけでなく、野生のイルカの生存を脅かすという負の部分を伴って成立しているものです。

水族館が運営を続けるために、展示動物を補充する目的で野生動物を捕獲し続け、希少化した野生動物や人気のある野生動物の展示によって利益を上げようとしていることには、大きな問題があります。その一つは、そのような営業方針をとることによって、野生動物を減少させること、さらに、一般の人々に対して、野生動物への誤った接し方を奨励することになることです。このような野生動物の使い捨てに対して高まる批判とともに、『野生動物は野生のままに』という世界的な声に、水族館は、真摯に耳を傾ける必要があります。少なくとも、世界動物園水族館協会の決定にしたがって、日本の水族館は、イルカの追い込み猟によるイルカの補給を、直ちに中止すべきであると考えます。

 
世界的なイルカ保護への関心の高まり

国際連合は今年(2007年)を「国際イルカ年」にすると宣言しました。このことは日本では、ほとんど記事として報道されていません。しかし、これまでに類を見ない世界的なイルカ保護への関心の高まりの中で、鯨類を飼育、展示することが、今日の世界における動物保護の流れのなかでどのように受け止められているかを考えていただき、また、水族館が、凄惨な「イルカの追い込み猟(漁)」と、どれほど深くかかわっているか、その現実と、施設に囲われているイルカ等の小型鯨類の苛酷な現状に目を向けていただくには、大変よい機会であると思います。

昨日(9月19日)、和歌山県太地で捕獲された5頭のシャチ(オルカ)のうちの1頭――伊豆三津シーパラダイスで飼育されていた「アスカ」と名づけられていたメスのシャチ―が死亡しました。これで、5頭のシャチのうち生き残っているのは名古屋港水族館の「クー」と名づけられた1頭だけになりました。野生のシャチのメスは80年は生きると言われていますが、「アスカ」の死亡推定年齢は約21歳です。水族館でのイルカなど鯨類の飼育状況の過酷さを表している一例だといえます。なお「アスカ」は、国際的な反対の声のなかで、1997年に「追い込み猟(漁)」によって捕獲され、学術研究用と称して水族館へ売却されました。学術研究結果を毎年発表することになっていましたが、この10年間、水族館はその発表を怠っていました。

上記の詳細参照サイト:
「イルカの追い込み猟」、「国際イルカ年」「Japan Dolphin Day」などの詳細は以下のホームページをご参照ください。

http//:elsaenc.net
http://www.savejapandolphins.jp
http://www.savejapandolphins.org

問合せ先:エルザ自然保護の会 Tel & Fax:

イルカ追い込み猟の表記
現在、日本では、新聞報道をはじめ一般には「イルカ追いこみ漁」と表記され,「漁」という文字が使われています。しかし、イルカ類は、空気呼吸と授乳育児を行なう哺乳類であることから、本会では「イルカ追いこみ猟」と「猟」の文字を使用しています。

 

ページのTOPへ