イルカの追い込み猟とは
「イルカの追い込み猟」という動物虐待行為
日本のイルカは一般の人々の無関心と、
日本の国策、水族館によってひどく苦しめられています
日本ではイルカを捕まえたり、殺したりしています
イルカは、絶滅の危機に瀕している動物として世界的に保護されている野生動物です。しかし、日本政府は、イルカ猟を許可し、イルカを殺したり生け捕りにしたりすることを奨励しています。
日本では毎年20,000頭近いイルカが殺されたり、生け捕りにされたりしています。
イルカの追い込み猟とは:
野生のイルカは超音波を発して、それが物に当たって跳ね返ってくる音を聞いて、その物を識別したり、獲物を捕らえたりしています。イルカは目で見るのと同じように音で物を「見る」ことができるのです。
イルカの追い込み猟は、イルカが音に敏感で、音に頼って生活していることを利用して行なわれます。追い込み猟は、まず、外洋でイルカの群れを探しだし、漁船から水中に大きな音を送ってイルカの備えている音波探知機能を撹乱してイルカをパニック状態にさせることから始まります。つぎに、音で脅しながら、群れを狭い入り江や漁港へ追い込みます。それから、入り江や港の入口をふさぎイルカが逃げられないようにして、殺したり、生け捕りにしたりする猟法です。
現在、イルカの追い込み猟は、和歌山県の太地町と静岡県伊豆半島の富戸で行なわれています。
イルカの追い込み猟は、世界で最も残虐な猟法
イルカが殺される場合:
入り江に閉じ込められたイルカたちは、仲間がつぎつぎと刃物で切られ、のた打ち回って死んでいくのを血の海の中で見続けながら、自らも同様に殺されていきます。仲間が殺されるのを見て悲鳴を上げるイルカの鳴き声は、人の耳にもはっきり聞こえます。殺されたイルカは、肉として食用にされますが、ペットの餌や肥料にされるともいわれています。
イルカが生け捕りされて水族館へ送られる場合:
イルカの生け捕りは、通常イルカを殺す前に行なわれます。入り江に追い込まれたイルカは、さらに音で脅されて桟橋の近くへ追いたてられ、漁船と漁網で囲まれます。
こうして囲い込んだイルカを、水族館のスタッフが、さらに追いかけ、追いつめ、好みに従って選別し、むりやり吊り具に押し込んで、クレーンで海から吊り上げ、桟橋に待っているトラックに積み込みます。
溺れるイルカ、ショック死するイルカ、海は1時間で血の色に!
水族館によるイルカの捕獲は、想像を絶する苦痛をイルカに与えます。すばらしい泳ぎ手である海洋哺乳類のイルカが、パニックに陥って、実際に「溺れて」死ぬだけでなく、逃げ惑うイルカが仲間同士ぶつかり合い、桟橋や漁船に激突して傷つき、ひどく出血し、海の色が1時間ほどで血の色に変わります。また、漁網に絡まれたイルカはひどく衰弱し、窒息することもあります。いっぽう、吊り上げられたときにショック死するイルカもいます。イルカの捕獲は、イルカ殺しと同様に激しい苦痛とストレスをイルカに与えます。
水族館へ運ばれたイルカのストレスは、イルカが水族館で死を迎えるまで長く続きます。野生のイルカは30年から35年生きるといわれていますが、水族館のイルカの寿命は平均7年くらいで、数ヶ月で死んでしまうものもいます。
水族館とイルカ猟の関係:
残酷なイルカ猟を奨励し、存続させる水族館
イルカショーのイルカたち:
水族館のイルカショーで私たちが見るイルカは、ほとんど追いこみ猟で捕獲された野生のイルカです。つまり、イルカ水族館は野生イルカを生け捕りすることによって成り立っているのです。
イルカを保護しない水族館:
日頃、水族館は教育施設であると主張し、イルカの保護を宣伝していますが、水族館はイルカを保護するどころか、自分たちの好みに合ったイルカを手にいれようとしてイルカを激しく追いまわし、多くのイルカにひどい苦痛を与えています。さらに、イルカを高値で買い入れることによって、追いこみ猟は金儲けになることを漁協に教えて猟を続けさせ、野生のイルカを滅ぼすことに手を貸しています。こうして、群れ全体を雌、雄、子どもの区別なく丸ごと追い込んで捕殺する追いこみ猟が、毎年繰り返され、繁殖率の低いイルカが多大な影響を受け続けています。
イルカ転がしで金儲けをする水族館:
「水族館はイルカ猟からイルカを救っている」というのは誤り
教育施設であると自称する水族館が世界的に批判の多い追い込み猟からイルカを買うことは問題です。さらに、イルカを購入した水族館の中には、購入価格より遥かに高い値段でイルカを海外の他の水族館施設へ転売して金儲けをしているところもあります。いわゆる「イルカ転がし」です。例えば、2005年3月、「太地町立くじらの博物館」は、太地町民や国内外の動物・環境保護団体の反対を押し切って、ハンドウイルカを中国の水族館へ売却しましたが、この場合、水族館がイルカを購入した価格は1頭74万5,000円、中国への売却値段はその約7倍の1頭約520万円でした。こうした現実を知れば、「水族館はイルカ猟からイルカを救っているのだ」という水族館の主張はまったくの偽りであることが分かります。
野生動物の保護のためには、多くの人々がこうした水族館の実体を知る必要があります。
イルカ猟中止をめざす活動を!
本会では、世界各国の人々とともに、凄惨なイルカの捕獲やイルカ殺しを中止するように日本政府や漁協に求め続けています。しかし、和歌山県太地と静岡県伊東(富戸)の漁協はイルカ猟の継続を望み、日本政府と水族館はイルカ猟を奨励しています。
イルカは自己を認識し、心配や恐怖、悲しみや喜びを感じる動物で、高度な社会生活送っています。追い込み猟におけるイルカの捕獲方法や殺し方は、こうしたイルカの生態をまったく無視したものです。イルカの追い込み猟を実際に目にした人々は、「イルカの追い込み猟はこれまで目撃したうちで最も残酷な行為」であると一様に批判しています。
日本近海を回遊するイルカを捕殺から救うために多くの方々の協力が、今、必要とされています。
イルカ猟の詳細を知って、イルカを救うために、下記ページをご覧下さい。
当サイト内記事
- イルカの追い込み猟(漁) (静岡県伊豆半島の富戸漁港)
- イルカの追い込み猟を巡る最近の動向
イルカの追い込み猟の中止を目指す米仏日共同サイト:英文
本会では「イルカ漁」ではなく、「イルカ猟」の表記を使用しています。イルカは哺乳類で魚ではないからです。但し、一般の「要望書」などでは、従来の慣例に従って、当分のあいだ「イルカ漁」の表記を使います。
2005年「イルカの追い込み猟廃止のための国際的な動き」へ