今日の人間社会は動物に頼りきって動いています。動物に興味があろうとなかろうと、好きであろうと嫌いであろうと、人間は動物なしには、今の社会で生きていくことができなくなっているといえます。動物たちは、食用からペット、毛皮などの工業製品、実験用にいたるまで、さまざまに利用され、人間の社会生活に不可欠の存在になっているのです。
しかし、私たちは、そのことをはっきり認識しているでしょうか? ベコフ教授は「動物たちは人間とその生活空間を共有し、実際に私たちが『会話をかわす』ことができる私たちの親類」であると考えています。私たちはそうした親類のことをどのように考え、また、どう接していけばいいのでしょうか?
米コロラド大学の生態・進化学部で有機体論生物学を担当しているマーク・ベコフ教授が、人間社会の真実の姿を描き、独自の哲学的な考察を加えつつ、限られた地球を共有する動物と人間の関係に鋭いメスをいれました。そして、愛情のこもった語り口で、私たち人間社会の未来はどうあるべきかを語ります。
本会では、現代社会に生きるあらゆる人々が、家庭で、学校で、大学で、各職場で、そして行政担当部署で、本書を利用することを願い、私たちの生き方を考えるための「現代社会人の必読書」として、本書を推薦します。
本書は中学生から成人までの幅広い読者を対象にしていますが、巻末資料は研究者用としても十分参考になります。
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