2005年プレスリリース

Japan Dolphin Day 2005 情報提供

2005年10月8日~10月14日
「2005年・世界イルカ解放週間」のお知らせ

本会では、毎年『7月4日~10日世界イルカ解放週間』という世界的規模の活動に参加し、7月4日~10日の1週間をメディア関係各所への広報活動にあて、情報提供と「お願い」をお送りしてきました。しかし、今年は、その日時を10月8日~14日に変更し、情報提供をいたします。

「2005年・世界イルカ解放週間」日程変更の理由
来る10月8日正午に、世界各国の動物・環境・自然保護活動を進める79団体が、世界の46都市で、現地の市民と共に、「日本が行なっているイルカ殺しとイルカ捕獲」に対して中止を要請する国際的なイベント(平和的抗議デモ)を行なう予定です。この企画は、日仏米の3団体の呼びかけに始り、約半年で、世界的な規模に拡大したものです。
(参照:別紙「ちらし」。なお、上記のイベントへの参加団体や開催都市の数は日を追って増え続けているため、別紙ちらし記載の数とは、多少異なっています。)

これまでに類を見ない世界的なイルカ保護への関心の高まりの中で、鯨類を飼育、展示することが、今日の世界における動物保護の流れのなかでどのように受け止められているかを考えていただき、また、水族館が、凄惨な「イルカの追い込み猟(漁)」と、どれほど深くかかわっているか、その現実と、施設に囲われているイルカ等の小型鯨類の苛酷な現状に目を向けていただくには、大変よい機会と思います。これが、今年の「世界イルカ解放週間」を10月に移動した理由です。

「2005年・世界イルカ解放週間」参加団体
日本では、シャチなど鯨類の解放を願って結成されたNGOネットワーク「フリーオルカ」(東京)及び非営利の環境保護団体「エルザ自然保護の会」(茨城県つくば市)が1998年からこの世界的な活動に参加し、毎年、イルカなど鯨類を飼育展示している日本の水族館のすべてと主要メディアに「世界イルカ解放週間」の情報と「お願い」を発信しています。日本でのこの活動は今年で8年目を迎えます。

私たちが「世界イルカ解放週間」の活動を続ける理由:

現状の水族館は動物虐待施設という認識
自然・動物・環境保護団体の調査活動によって各水族館での動物虐待の現状が明るみに出される一方、野外での調査研究によって海洋野生動物の生態が明らかになりはじめ、水族館に囲われている動物と自然の生息域にすむ海洋野生動物の環境が、著しく違っていることが分かってきました。

日本では、現在の水族館のありかたに何ら疑問をもつことなく、水族館は教育的であるとする考えが根強く残っています。しかし、1日に100キロ以上を泳ぎ、数100メートルも潜水し、緊密な社会生活を営むイルカなどの野生動物を狭いコンクリート水槽に閉じ込めて見世物にすることは、動物虐待にほかなりません。野生のイルカは、約35年生きるといわれていますが、水族館での平均寿命は7年ほどです。その死亡原因の多くはストレスによって生じる免疫低下による感染症です。

イルカの追い込み猟と水族館との関係
イルカの捕獲については、日本では「追い込み猟(漁)」というイルカにとって過酷な方法がとられ、毎年捕獲の際に何頭ものイルカがパニック状態になり、ぶつかり合って傷つき、血を流し、溺死しています。水族館による捕獲作業で、海はわずか1時間で血の色に変わります。

日本の追い込み猟で捕獲されたイルカは、現在、漁協が水族館に売却しています。いっぽう、水族館も、イルカを他の施設に転売して暴利を得る、いわゆる「イルカ転がし」を行なっています。近年、イルカ追い込み猟の凄惨な事実が問題にされ、追い込み猟で捕らえたイルカを買わないようにしようという動きが海外で顕著になってきました。こうして、2004年11月、世界動物園水族館協会は、タイペイ(台北)における会議で、日本の「イルカ追い込み猟」に反対することを満場一致で決定しました。

水族館が運営を続けるために、死亡した展示動物を補充する目的で野生動物を捕獲し続け、希少化した野生動物や人気のある野生動物の展示によって利益を上げようとしていることには、大きな問題があります。その一つは、そのような営業方針をとることによって、野生動物を減少させること、さらに、一般の人々に対して、野生動物への誤った接し方を奨励することになることです。このような野生動物の使い捨てに対して高まる批判とともに、『野生動物は野生のままに』という世界的な声に、水族館は、真摯に耳を傾ける必要があります。少なくとも、世界動物園水族館協会の決定にしたがって、日本の水族館は、イルカの追い込み猟からのイルカの補給を、直ちに中止すべきです。

メディアへの「お願い」:
世界で10余年継続されている活動に目を向けてください。
海やイルカなどの話題をメディアで取り上げる場合、どうぞ上記のような活動が10年余りにわたって世界の各地で続けられていることを考慮にいれ、一部に見られるように水族館側の宣伝に加担するような記事だけを流す現状を改め、片寄らない報道を、今後ともお願い申し上げます。(上記のように、日本においても、世界の「イルカ解放週間」に呼応した地道な活動が8年間継続されています。)

「世界イルカ解放週間」の成立、由来については、こちらをご覧ください。

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